07 — MCPの勝利
Anthropicの「負けて勝つ」戦略
エージェント時代の基盤プロトコルを制したのは、モデル競争では3番手のAnthropicだった。2024年11月にMCP(Model Context Protocol)を発表し、LLMと外部ツールの標準接続規格を提唱。当初は自社エコシステム向けだったが、2025年3月にOpenAIがAssistants APIを廃止してMCPに移行、4月にはGoogle DeepMindも採用。競合4社すべてが同じプロトコルを使う異例の事態となった。2025年12月、AnthropicはMCPをLinux Foundation傘下の「Agentic AI Foundation」に寄贈し、オープン標準化を完了。SDK月間DL数は9,700万を超え、公開MCPサーバーは10,000以上に達した。自社が発明したプロトコルをオープン化し、業界標準のルールメーカーの座を確保する——これはAnthropicの「負けて勝つ」戦略の集大成だ。もう一つの注目点はメモリだ。2026年3月、Claudeが全ユーザーに会話横断メモリを展開。エージェントが長期的なコンテキストを保持し、ユーザーの意図を学習し続ける時代が始まった。メモリ・ツール統合・マルチエージェント——この三位一体が、単なるチャットボットとエージェントを分ける境界線となっている。